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メッツァ(森)のラーヴ(休憩所)は、北欧文化と出会う場所

LAAVU in マーケットホール

メッツァビレッジの住人・第13回は、マーケットホール棟の1階にある、北欧のライフスタイルグッズを取り扱うショップ「LAAVU(ラーヴ)」についてです。置かれているものは北欧の食を中心に、日本でも人気急上昇中の「フェールラーベン」のバッグ、さらにはサウナテントまで多種多様!オーナー西村俊治さんの目利きは特定のジャンルに限ったものではありません。それらは一体何を基準にセレクトされているのでしょうか。背景にある想いに迫ります。

小さなお店に存在感抜群のサウナテントが必要なわけ

「LAAVU」の前を通りかかると、必ず目に入るのがテント。こちら(写真上)は、フィンランドで実際に使われているサウナテントです。サウナ発祥の地フィンランドでは、自然の中でいつでもサウナが楽しめるようにと多くの人が購入するようですが、果たして日本で売れるの? そんなふうに疑問に思う人は少なくないでしょう。でも、オーナーの西村さんは、

「このサウナテントを立てられないなら、お店自体やらないよ!くらいに思っていました(笑)。それくらい、北欧、特にフィンランドのライフスタイルを象徴するものだからです。」(西村さん)

と、余裕の表情。もちろんお店ではストーブがオフになっているので熱くはありませんが、デモンストレーションで本物さながらの様子を見ることができます。そして、かなりの存在感です。

「北欧文化との出会いの場、窓口になれたら嬉しい」

西村さんがサウナテントをお店に立てたかった背景には、こんな想いがありました。

「『北欧ってどんな感じ?』と聞かれても、日本人にとってまだまだ答えるのは難しいと思うんです。だからこそ、日本人から見て北欧らしいもの、よりわかりやすいものを用意し、まず実際に触れることで興味を持ってもらえたらと考えています。お店に置く商品、特に食品はそんな基準でセレクトしていますね」(西村さん)

サウナテントには実際に入ることはできませんが、サウナ文化がいかに発展しているかを知るきっかけになります。関連したもので言うと、サウナで使うストーン(写真下)もいい例。これは、マッサージやボディケアに使える「カレリアンソープストーン」という特別な石。可愛らしい見た目ながら、なんと28億年前の石で作られている驚きの事実が隠されています。こうした1つ1つのストーリーも知ってほしいと、西村さんは言います。

「手にとって触ってもらって、こういうものがあるんだと知ってもらえるだけでも価値があると思っています。売ろうと努力することよりもまず先に、体感してもらわないと伝わらないですよね。『LAAVU』が北欧文化との出会いの場、窓口になれたら嬉しいです」(西村さん)

実は「LAAVU(ラーヴ)」というお店の名前自体にも、出会いの場という意味があるのだそうです。

「フィンランドには、クロスカントリーやノルディックスキーの途中で休憩できる、三角形の屋根のシェルターみたいな建物があって、その場所をLAAVU(ラーヴ)って呼ぶんです。スキーヤー同士の出会いの場、情報交換の場として活用されています。お店の名前にふさわしい単語をフィンランドの知人に聞いてみたら、LAAVU(ラーヴ)がいいのではと提案されまして。metsa(メッツァ)はフィンランド語で森という意味だから、森の中にある休憩所でちょうどいいな、と思いました。発音もLOVE(ラヴ)に似ていて、なんとなくいいでしょう」(西村さん)

「みんなが楽しい、面白いって思うお店にしたいんです」

西村さんは、イギリスワインと食材の総輸入元の会社「ワインショップ西村」の代表でもあります。ヨーロッパの食材に精通していたことからご縁が繋がり、北欧の食材も手がけるようになったそうです。そういった経緯で「LAAVU」には、フィンランドビールや北欧ベリーを使った「マイスムージー」、スウェーデン王室御用達の「北欧紅茶」、その他ジャムやハチミツなど、北欧の食品が多く揃っています。

「『北欧紅茶』(写真下)は紅茶のブランド名です。もともとスウェーデンの王室でしか出していなかったものなので、パッケージでの販売はなかったんですが、日本の輸入元さんが特別に缶に入れたものを作ってもらったんです。あまり出回っていないので知らない方がほとんどだと思いますが、本当にいいお茶なので、ぜひ試してみてほしいですね。
今後は、北欧からサーモンやチーズなどを取り寄せて、定期的にイベントなどを展開したいと思っています。来てくださる方が楽しい、面白いって思うものをやらないと、私自身も面白くないですから。ただものを並べて売るだけのショップにはしたくないんです」(西村さん)

もちろん充実しているのは食品だけではありません。北欧で大人気のフェールラーベンのバッグ(写真下)や、フィンランドのコミック『マッティは今日も憂鬱』のグッズ、デンマークの高級スーパーマーケット「イヤマ」のオリジナルグッズなど、北欧諸国について理解を深める入り口としてぴったりな雑貨も集まっています。こうしてセレクトされたものは、関係者も一目置くラインナップだそうです。

北欧諸国に見習いたい豊かな生活が、メッツァビレッジで体験できる

最後に西村さんは、豊かさについてお話してくれました。

「北欧を訪れると、生活を豊かにしようというみんなの気持ちが伝わってくるんです。これは日本が今後見習うべきことではないかと思っています。ここで言う豊かさとは金銭のことではなく、心の持ちよう、つまり日々の過ごし方ですね。
限られた時間でもゆったり過ごそうと意識したり、口に入れるものをなるべく良いものにしたり。そういうことを大切にすると、内側から豊かになれると思うんです。その結果、笑顔も増してストレスもなくなるのではないでしょうか」(西村さん)

そして、「メッツァビレッジ」はそんな豊かな時間を過ごすのにぴったりな場所だと言います。

「『メッツァビレッジ』には森と湖があるでしょう。これってフィンランドに欠かせないキーワードなんですよね。それが集約されている環境はすごいと思います。
いろんな人が『LAAVU』 で出会って、人と人、ものが結びついたら幸せですね。例え小さなお菓子でも、1つ手にすることで記憶を持ち帰ってもらえたら何よりです。それをリュックに詰めて、メッツァの森を抜けて、そして『ムーミンバレーパーク』※にムーミンを探しに行く。そんなストーリーができあがったらいいなあと思っています」(西村さん)

メッツァ(森)のラーヴ(休憩所)物語は、これからどのように完成するのでしょうか。また、ユニークなイベントもいろいろと計画中ということなので、そちらも楽しみです。

取材・文 河辺さや香
写真 末松千夏

※2019年3月オープン予定


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