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星を眺める時間があるという贅沢。ムーミンバレーパークの星空観賞会

夏本番の季節に実施された「~星降るmetsä~ ムーミンバレーパークの星空観賞会」

こちらは事前予約制で7月と8月 のいくつかの週末の期間のバスツアーと、8/9の「ムーミンの日」と合わせて7日間しか実施されず、また、閉園後という特別なシチュエーションでパークに滞在できるレアなイベントで、すぐに定員となってしまい、参加したかった!というご意見も多くいただいたので、こちらで内容をご報告させていただこうと思います。

会場は、Kokemusとおさびし山のどちらかでの実施となりました。

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Kokemusの屋上は、初公開!

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セッティングをしている日没前にも、月が出ていて、望遠鏡で月の様子を見ることができました。

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おさびし山のシンボルといえば、天文台。まさに星などの天体を見る場所で、ムーミンたちが彗星のことを調べるために向かった場所です。

おさびし山会場では、ヘムレンさんの遊園地の一角に望遠鏡の観察エリアと、天文台前にスライドの解説エリアを設置しました。

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こちらではどうやってもコントロールできないのが、お天気です。

当たり前ですが、星空は、雲がかかっていたら、見えません。もちろん雨のときも。

ムーミンのお話で、雨の中でもピクニックにでかけるエピソードがありました。そのときムーミンママが「いますぐピクニックに出かけないと、なにが起こるかわかったものじゃないわ」と言ったからです。そして、そこでやかんでコーヒーを飲んで、いろいろなことをぺちゃぺちゃと話しているうちに、すべてがごく自然で、それでよいのだという気になってくる、というものです。

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ムーミンたちの世界を取り巻く自然環境というのは、実は過酷です。

彗星が衝突するというので、家のバスタブを手押し車にして荷物を積んでほら穴に避難したり、洪水で家がなくなって、家族が散り散りになってしまったり、私たちに置き換えたら、「なんとか大震災」という名前がついてもおかしくない位のレベルではないでしょうか。ただ、どんな状況でも、ムーミンたちはそれを受け入れて、そんな状況でも楽しみを見つけます。彗星が迫りくる中「わたし、ダンスがしたいの!」とスノークのお嬢さんの一言でダンスパーティが一晩中続いたりします。そのうちに「なんとなく」出来事が進み、物事も解決していたりすることもあるのです。

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どんな状況でも、楽しむ。というムーミンたちのマインドに則り、お天気に恵まれない日でも全日、天候や参加人数などの状況に合わせて参加者のみなさんに楽しんでもらえるようプログラムがアレンジされた結果、一日も同じ内容にならなかった、という、実はとても手間がかかっていたイベントとなったのでした。

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解説プログラムの回は、解説をしてくれた望遠鏡メーカービクセンの星空ソムリエさんにより、星空横断ウルトラ〇×クイズや、ムーミンの原作にまつわる星の解説を行いました。

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↑ Kokemus ムーミン谷の食堂 での回


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↑ Kokemus屋上での回


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↑ おさびし山の天文台前での回


星のソムリエさんからは、フィンランド語のクイズなどの北欧に関連したもの、スニフの好きな宝石ガーネットにまつわる星についてのクイズなどムーミンに関連したもの、天の川についてのクイズ、星を題材にした映画など幅広く解説いただきました。

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歌作りをライフワークのひとつとしているスナフキンが、「あたらしい歌ができますように」と、新月に願い事をかけるエピソードがあります。でもこれ、天文学的に、正しいの?正しくないの?という質問についての解説や着眼点が、望遠鏡などの天体にまつわる機器を扱うメーカーならではで、おもしろかったです。

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今年2019年夏の星空のトピックスは、「土星、天の川、木星」が並ぶことで、この配列になるのは、次は約60年後だそう。

ここにいるほとんどの人たちは、60年後に生きているかわからないので、残念ながらほとんど見込みがありませんね〜、と星のソムリエさんのコメントが、参加者の方々の笑いを誘っていました。

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「この宇宙は、とてつもなく大きいし、地球は、おそろしく小さく、とるにたらん…」とは、哲学者のじゃこうねずみの言葉。

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ムーミンたちの生活には、電気がないので、光源は蝋燭やランプなどを使っています。月あかりや星空の中でなにかをしたりすることも、あるのだと思います。月や星が身近なムーミンたちにとって、空を見ることというのは、きっと、日常なのでしょう。

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横が見えると、まわりが気になってしまったり、比べてしまうこともあるけれど、星を見ているときは、みんなで同じ方向を向いている。そんな時間を意識して作ってみてもいいじゃないか、とは星のソムリエさんの言葉。

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ムーミンバレーパークの星空観賞会を通して、参加されたゲストの方も、当たり前のように空にある星について、そして改めてムーミンのお話にも向き合うことができた機会となったのではないでしょうか。

また、観察会の実施された8月10日、11日はお月様が美しく観賞ができるという「十日夜(とうかんや)」前後という日で、言葉の通り、きれいな月を見ることができました。

歳時などの四季ごとのお祝いごとは知らなかったり、意識しないと意外と通り過ぎてしまうものです。ムーミンバレーパークの夏の星空観賞会は、少し立ち止まって、季節を感じることができたイベントとなりました。

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~星降るmetsä~「ムーミンバレーパークの星空観賞会」

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© Moomin Characters™

写真 飯田 麻未、川崎 亜利沙

文 川崎 亜利沙

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