フィンランドの世界最年少の女性首相の「昔からのお気に入りの本」とパークの冬のイベントのこと
12月10日にフィンランドの新首相に「世界最年少の女性国家指導者」としてサンナ・マリン社会民主党党首が就任しました。
マリン首相はフィンランド・タンペレ出身の34歳で一児の母でもあります。
他の4党と連立政権を組んでおり5党の党首は全員女性でうち4人が35歳以下ということ、新内閣は女性12人・男性7人、平均年齢47歳という日本では考えられない内閣構成ではありますが、フィンランドでは女性首相は3人目ですし、女性首相ということ自体はフィンランドをはじめとする北欧諸国では珍しいことではありません。
現職で世界最年少の首相ということ、また、母親とその同性パートナーに育てられたという経歴が、特筆すべきこと、と注目をされています。
サンナ・マリン氏 公式twitterより
と、ここまでが前置き。
ほかにも、フィンランドの男女平等、女性の活躍についてや、マリン氏については各媒体でも大きく取り上げられているので割愛しますが、ユニークな経歴を持つマリン氏の「読書歴」について今回は触れてみたいと思います。
なんと、マリン氏の公式SNSより、ムーミンの物語の原作ファンであることが発覚しました(!)
サンナ・マリン氏 公式Instagramより
右端に、ムーミンの本がありますね。
3冊の本を選ぶ記事で、マリン氏は、2019年の今年の冬のムーミンバレーパークのイベントの各コンテンツの元となるトーベ・ヤンソンの小説『ムーミン谷の冬』を昔からのお気に入りの1冊として選んでいます。
ご参考までに、他の2冊というのは、
今読んでいる1冊は、アガサ・クリスティ「名探偵ポアロ」シリーズの公認の別作家による続編、次に読みたい1冊は、ヨーロッパの中のナショナリズムについてのルポルタージュ本、だそうです。
「ののしりムーミン達」
国会議員サンナ・マリン氏は怒っているムーミンママが好き。
という少し挑戦的な見出し。
たまには友人や家族などの重要なことに心を向けるのは大事。そうしたいときにマリン氏はムーミンの小説を読むそうです。
小説の中でのお気入りは『ムーミン谷の冬』。
いつもはムーミン達が冬眠している真冬の夜にムーミントロールが目を覚ますお話。
マリン氏はムーミントロールが起きてから一人ぼっちになった状況で、めげずに頑張って成長していくところが魅力的に思うとのこと。
「それから、物語の中のムーミンママも好きです。完璧な母ではなく、家族に呆れたときに庭いじりに逃避して家族のことをののしる行為だって許されています。」
ムーミンバレーパークのウインターワンダーランドのイントロダクションも、まさに同じようなことを書いていたんです。
太陽の光がだいすきなムーミン一家は、冬の間は松葉をたっぷり食べて冬眠をして、春の訪れとともに目覚めます。ところが偶然ひとりだけ目を覚ましてしまったムーミントロール。外は雪に覆われた不思議な世界で、とても不安で心細い…。それでも、賢いトゥーティッキや怖いもの知らずのリトルミイの力を借りて、冬の孤独を乗り越え、成長していきます。
特に、パークの冬イベントのなかでも、夜の「ムーミン屋敷のプロジェクションマッピング」や、昼の「サウンドウォーク〜ムーミン谷の冬〜」などは、ママっ子で甘えん坊だったムーミンの成長譚を、視覚や聴覚で、それぞれ感じていただけるコンテンツなので、マリン氏がこの本を推薦する理由が、さらに五感でわかりやすく、本物の冬の自然環境のなかで体験いただけるのではと思います。
■開催概要
WINTER WONDERLAND in MOOMINVALLEY PARK EMPOWERED BY CALAR.ink
期間:2019年11月30日(土)〜2020年3月8日(日)
時間:17時〜20時、チケット最終販売時間19時(閉園1時間前)
文:川崎 亜利沙、ノーラ・コンティオ