見出し画像

北欧の家庭料理ミートボールの専門店ーはじまりは、フルーツサンドからー

メッツァビレッジの住人・第24回は、2023年秋にマーケットホール1階にオープンしたばかりの「TOROLI(トロリ)」です。

北欧では定番の家庭料理として親しまれているミートボールの専門店で、牛・豚・鶏のミートボールをはじめ、日本ではめずらしい鹿肉やサーモンのミートボールも取り扱っています。
こだわりのつまった本場の家庭の味が楽しめるトロリがオープンしたのは2023年11月23日。かわいらしい店舗と美味しい香りにつられてお客さんが足を止めています。

トロリを運営する「株式会社なのに物語」の代表取締役社長・谷地真稀さんに、トロリオープンへの思いやこだわりについてインタビューしました。

「株式会社なのに物語」の代表取締役社長・谷地真稀さん


メッツァとの出会いはフルーツサンドがきっかけ

谷地さんがメッツァと関わるようになったのは、フルーツサンドが始まりでした。

3年程前、大学生だった谷地さんですが、新型コロナ感染症が流行し、アルバイトが出来ない日々を過ごしていました。
そこで自ら起業することを思い付き、貯金からキッチンカーを購入。当時、ブームを起こし始めていたフルーツサンドを販売することにしました。

谷地さんが販売していたフルーツサンドは、色鮮やかなフルーツを挟み、断面がお花の形になっているフォトジェニックなフルーツサンドです。
その可愛らしい見た目と美味しさからあっという間に評判を呼び、東京や横浜などで開催されていた大きなイベントに次々出店し、ファンを増やしていきました。

その噂を耳にした飯能市内の店舗から熱望され、定期的にフルーツサンドを販売していたところ、フルーツサンドを口にしたメッツァの関係者から「ぜひメッツァで出店しませんか」と声がかかりました。
 
快諾した谷地さんは、メッツァのイベントの度にフルーツサンドを販売していましたが、毎回オープン前からお客さんが列を作り、あっという間に完売するなど、人気を博していました。

そんな中、メッツァビレッジで固定店舗を募集しているという話が持ち上がりました。
谷地さんは「お客さんに喜んでもらいたいというのはもちろん、私たちを見つけていただいた恩もあり、ぜひ恩返しができたら。」と出店を決めたそうです。


「北欧」を感じられるメッツァビレッジで、「北欧」のミートボールを

メニューについては、「メッツァビレッジは“日本最大級の北欧のライフスタイルを感じられる施設”ということで、北欧の家庭料理として親しまれているミートボールの専門店にしました」。
 
店舗のオープンにあたり、実際にフィンランドに行き、色々な店舗でミートボールを食べてきたという谷地さん。
「トナカイの肉を使ったミートボールを食べたら、独特な風味はありましたが、すごく美味しくて。トロリでも、色々な種類のミートボールの食べ比べが出来たら楽しいなと感じました。現地で使われているスパイスも、フィンランドの伝統的な市場・オールドマーケットで購入してきました。」


フィンランドに訪れて、家庭の味の再現を追求

現在、トロリで提供しているミートボールメニューは、鶏・豚・牛・鹿・サーモンの5種類です。

「北欧ミートボール 贅沢食べ比べBOX」

「北欧ミートボール 贅沢食べ比べBOX」では、5種類のミートボールが一つずつ入っていて、食べ比べが楽しめます。
じっくりと焼き上げた自家製ミートボールは、一口噛むとそれぞれのお肉の旨みとスパイスやハーブの香りが口の中に広がります。

ゴロっとしていて食べ応えのあるミートボールにかけられているクリームソースは、日本人の口に合うようマスタードの量を調整してあるので、ミートボールとの相性も抜群。
また、北欧のミートボールの付け合わせとして欠かせないのが、リンゴンベリーのジャムとマッシュポテト。
ミートボールのしょっぱさに、リンゴンベリージャムの甘酸っぱさがより美味しさを引き立てています。
このほか、自家製ドレッシングがかかったサラダ、ピクルスが添えられています。
 
「実際に現地の家庭で食べられている味を知りたくて、フィンランドに行った際に、図書館に立ち寄ってレシピ本を探してみました。ちょうどフィンランド人の女の子がいたので、その子に話しかけて、家庭で作るときのレシピ本ってどういう本を参考にしていますか、と聞いてみたんです。そうしたら、『この本はみんなの家にだいたいあるよ』と教えてもらったので、その本を購入して納得のいくミートボールになるよう、試行錯誤しながら作りました」。


徹底的にこだわりが詰まった内装

谷地さんがこだわったのは、ミードボールだけではありません。
店頭には重厚がありクラシカルなデザインのレジスターが置かれ、モダンな赤色のタイルが目を引き、可愛らしい内装におもわず写真を撮りたくなります。

通りかかる皆さんが興味を持つというこのレジスターですが、フィンランドのオールドマーケットで同じようなものを使っているお店があって、おしゃれだなと感じ、導入を決めたそうです。
 
なんとこのレジスター、現役で動いているんです。数字ボタンを押してハンドルを回すと「チンッ」と音を立ててドロアーが飛び出します。

アンティークだけど現役のレジスター

また、フィンランドを訪れた際に、タイルを使っているお店が多いという印象を受けたことから、タイルを活かした内装をデザイン。しかし施工会社に相談するも、トロリとソースが垂れたような丸みを出す加工の難しさから何件にも断られてしまいました。
やっと依頼できる施工会社を見つけることができ、内装が完成したそうです。

トロリと垂れたようなこだわりのタイル造形!


ミートボールを通して、北欧の食文化を知ってもらう機会に

こだわりのつまったお店には「トロリ」と名付け、「愛おしい日々に、愛おしい一品を」をコンセプトに掲げ、現地の味を再現したミートボールを提供しています。
 
谷地さんは、「ミートボールが北欧ではメジャーな食べ物だということを知らない人も多く、北欧の食文化を知ってもらう機会になれば。私がフィンランドで食べて感動したトナカイ肉のミートボールも、いずれはトロリでも提供できるようにしたいですね。まだまだこのお店でやりたいことはあるので、さらに進化させていきたいです。」と展望を語ってくれました。
 
今後は、隣のスペースを活用し、スイーツなどを販売する計画もあるようです。たくさんの想いがつまったお店の発展が楽しみです。

取材・文 /大崎みなみ、川崎亜利沙


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?