ルネ_デュー_雑貨

布のある暮らしで生活を豊かに。自分の欲しいものがきっと見つかる場所

メッツァビレッジの住人第23回は、マーケットホール2階にオープンした「ルネ・デュー(LUNE D'EAU)」です。代表取締役社長の八木孝彰さんに「ルネ・デュー」について、また、長年通う北欧の人たちの暮らしについて、手軽に取り入れられるインテリアのアドバイスなど、いろいろと教えていただきました。

「ここにお店を出したらきっと楽しい。そんな空気感にひかれました」

「ルネ・デュー」が「メッツアビレッジ」にオープンしたのが、2月15日。施設のオープンから3ヶ月が過ぎた頃でした。実は八木さん、当初は出店を断ろうと思っていたそうです。

「『メッツア』への出店のお話を頂いて、最初は迷っていたというか……。出さないでおこうと思っていたんです(笑)。物販が売れない時代ですし、テーマパークへの出店経験もなかったので、断わろうと思う反面、興味もあるという感じで迷っていました。

現場を見に来てからでもいいということで、『メッツア』に初めて来たのが昨年11月。ちょうどオープンしてすぐの時期です。その時に『メッツア』に広がる自然を見て、出したくなっちゃった! というのが本音ですね。

とにかく、空気感が良かったんです。ここにお店を出したら楽しいだろうな。というワクワクする気持ちが大きかった。それで決意しました」(八木さん)

「ルネ・デュー」は今年で創業15年。会社を立ち上げたタイミングは、八木さんの息子さんが生まれた時期と重なります。

「長男が今15歳で中学3年生なのですが、彼が生まれたのが15年前の10月。『ルネ・デュー』を始めたのが、その2ヶ月後の年明けです。

お腹の中にいる子どもを育てていかなければいけない。人生を真面目に、真剣に考えたターニングポイントですね。僕の両親と祖父、3人兄弟の兄と弟も、みんな事業をしています。そんな環境で育ったのもあって、30歳までには独立したい、と漠然と考えていました」(八木さん)

「ルネ・デュー」を始める前は、企業の営業職として働いていた八木さん。北欧のファブリックや雑貨を扱う「ルネ・デュー」には、奥様のセンスや趣味が活かされていると言います。

「奥さんが商品を、僕はどちらかというと経営を見ています。買い付けでも僕の趣味は、ほとんど発揮させないようにしているので、喧嘩もないですね(笑)。

メインターゲットになるお客様が奥さんと同じような方々なので、商品の軸をずらさない方が良いと思っています。『ルネ・デュー』を立ち上げたのも、カラフルなものやデザイン性のあるものが好きな奥さんの影響が大きかったですね。」(八木さん)

「自分が欲しいものを作ろう!それが大前提です。」

「BITS OF FABRIC(はぎれ)」を利用した「B.O.F」アイテムは、ひとつとして同じものがないオンリーワンの商品

「自社で商品を作る際は“自分が欲しいものを作ろう”ということを徹底しています。例えば赤の布で作ろうか、緑の布で作ろうか、というように迷いが生じた時に、どうしても当てに行こうとしてしまうんです。それはやめようと。

会社にはテキスタイルや北欧雑貨が好きな子たちが集まってきているので、『私はこの布が好きで、この布で作られた商品なら買いたい』というのであれば、それで行こうと。“これが売れるかもしれない”というイメージに実在するマーケットがあるかどうかは不明ですが『私はコレが欲しい』と思う人がいるなら、マーケットは小さいかもしれないけれど、ゼロではない。そういう考え方で物づくりをするようにしています」(八木さん)

自分たちが好きなもの、良いと思ったものを商品化する。それは、生地の買付けについても同様。「ルネ・デュー」が取り扱っているブランドも、そういった経緯を経て増えてきました。

「ルネ・デュー」が、世界で活躍するデザイナーたちが目指す登竜門になりたい!

「当社で取扱のあるテキスタイルブランドも、自分たちが良いなと思ったブランドばかりです。展示会で見つけたブランドもありますし、現地で偶然出会った小さなブランドなど、経緯はさまざまです。

『アルビットソンズ(ARVIDSSONS)』などは、ずいぶん有名になりましたが、僕らが契約した当初はそれほど世の中に出ていなかったんです。彼ら自身も、自分たちの作る商品が世界で売れるとは想像していなかったようで、展示会にも出店していませんでした。

僕たちが買いだしたことで自分たちの商品の魅力に気づき、ドイツで開催されるテキスタイルの展示会にも出店するようになって、今では世界的に認知されるブランドになりましたね。

今後の目標として『ルネ・デュー』でファブリックを採用してもらったらうれしい。そんな、テキスタイルデザイナーの登竜門になるような会社にしていきたいと思っています」(八木さん)

手軽に取り入れられるインテリアのアドバイス

気軽に模様替えができるファブリックパネル。サイズや布の種類によって値段が異なる

長年北欧に通う八木さんに、私たちが手軽に取り入れられるインテリアのアドバイスをお聞きしました。

「手軽に挑戦できるのは、パブリックパネルや大きなタペストリーですね。それだけで部屋の雰囲気が変わりますし、季節によって変えられるのも便利です。

タペストリー用の棒に自分が気に入った布をクルっとかければ、生地もいたまないし飾った後の布も、他の用途に使うことができます。生地の幅よりちょっと大きな棒を用意するだけで気軽に模様替えができて、楽しいと思いますよ。

デザイン性の高い布を合わせる場合は、カラーストーリーを意識すると上手くいきます。ブルー系、イエロー系のように、違う柄でも同系統の色を選ぶと、全体としてまとまって見えてきます。その中にあえてポイントになる差し色を選んで入れていくというのは、次の段階になってきますね」(八木さん)

部屋のカーテンを変えるとなると値段も貼りますが、タペストリーやファブリックパネルなら、取り入れやすいですね。北欧の人たちは、日常でどんな布の使い方をしているのでしょうか?

「インテリアへの意識が高いので、クリスマスのためだけに3ヶ月だけカーテンを変える。というレベルになっています。インテリアに対するお金の使い方が日本とは違いますね。百貨店の一番良い売り場がインテリア売り場だったりするんです。

消費税や物価が高いので、友達と会うとなると外食に行くよりホームパーティを開くんです。家のインテリアは人に見られるものなので、日本でいう服装に近いイメージかもしれませんね。

『●●さんの家は、毎回同じインテリアね』とは言われたくない。『●●さんの家は、インテリアが素敵。毎回違うカップが出ててくる。やっぱりおしゃれな●●さんは、違うなぁ」そういう文化ですね。今後消費税も上り、日本も少しずつそうなるかもしれませんね」(八木さん)

取材・文/美濃羽佐智子
写真/ルネ・デュー, 山田雪枝


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