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トーベとオーランド、メッツァのミッドサマー

フィンランドとスウェーデンの中間に位置する島「オーランド」をテーマにしたメッツァの夏至祭―ミッドサマーフェスティバルが、6/22から7/7まで開催中です。

北欧の人々にとって、夏至はクリスマスと同じくらい重要な行事の1つで、1年で一番日の長い夏至をお祝いするその週末は、都市部を離れ、パーティーをしたり、のんびりしながら友人や家族と過ごすのが一般的です。
同じ北欧でもスウェーデンでは、メイポールという草花で装飾された柱を立てその回りを踊り、フィンランドでは、コッコというかがり火を焚いて夏の訪れを祝います。
今回メッツァの夏至のテーマとなっているオーランド島は、国はフィンランドなのですが、スウェーデン語を公用語としているため、スウェーデンの文化が強いという場所です。
夏至祭ではかがり火を焚かずにスウェーデン式にメイポールを立てるのですが、スウェーデンとはちがった紙を使い、まるで日本の七夕飾りのような装飾が施された独自のメイポールを立てます。

メイポールのまわりで踊る人々

マーケットでも売られている夏至メイポールの紙の装飾


ここオーランドは、実はムーミンの物語の生みの親、トーベ・ヤンソンともかかわりがあった場所でもあります。
なんと、画家でもあったトーベが描いたオーランド式のメイポールの絵が存在しているのです。

これはミッドサマーポールと名付けられた絵で、1945年に描かれています。
1945年というのは、ムーミン小説の第1作『小さなトロールと大きな洪水』も出版された年でもあります。

トーベの昔の恋人で、スナフキンのモデルとも言われているアトス・ヴィルタネンは、オーランドの出身です。また、スウェーデン語を母国語とするスウェーデン系フィンランド人であったトーベにとっては、スウェーデン語が公用語のオーランドという場所は、フィンランド語が飛び交うヘルシンキよりももしかしたら居心地が良かったかもしれません。

オーランドの首都マリエンハムにあるオーランドアートミュージアムには、「ミッドサマーポール」含めてトーベの原画作品が3点ほど展示されています。

たとえば下の絵。フィリフヨンカのような生きものもおり、ムーミンの物語にでてきそうなこの作品は、2014年にヘルシンキ・アテネウム美術館で開催された「トーベ・ヤンソン展」でも展示されたオーランド沖の島の名前がタイトルになっています。

ムーミンのこと、トーベのこと、そしてオーランドへのロマンを馳せながら、今週末は、メッツァのミッドサマーイベントに遊びにいくのはいかがでしょうか。6/30と7/7は、スウェーデンとフィンランドそれぞれの音楽ダンスイベントと、花冠ワークショップも体験することができます。


メッツァのミッドサマー

今年2019年の日本-フィンランドの外交樹立100周年を記念し、メッツァビレッジでは、オーランドスタイルの夏至と、日本の七夕を組み合わせたメッツァだけのオリジナルミッドサマーイベントを開催します。
期間中は、夏至のシンボルであるメイポールが登場。参加型の企画で、日本の伝統である七夕の願いごとの短冊を付けられます。また、ミッドサマービアガーデンやオリジナルメニュー、花冠づくりワークショップや伝統的なダンスパーティイベントを開催いたします。

文・写真 川崎 亜利沙



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