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新しいのに不思議と舌になじむ!日本人をトリコにするフィンランドの甘い魔法

ショコラフィンランド (LAAVU 内) in マーケットホール

メッツァビレッジの住人・第10回は、「ショコラフィンランド」です。これはお店の名前ではなく、選りすぐりのフィンランドチョコレートが集まったコーナー。マーケットホールに入る「LAAVU:ラーヴ」の一角に常設されます。全てフィンランド産にこだわったチョコレートの中には、ヘルシンキでもなかなか手に入れることのできない希少なものもあるとか!一体どんなお宝が待っているのでしょうか。

フィンランドは海外からも注目されるチョコレート大国

フィンランド大使館が自国の食材を広めようと企画した活動「フード フロム フィンランド」の中でチョコレートだけにフォーカスしたもの、それが「ショコラフィンランド」の発端。このことから想像がつくように、実はフィンランドはチョコレート大国でもあります。フィンランドでチョコレートの製造が始まったのは1894年のこと。翌年からは輸出も開始し、その美味しさは海外でも広く知られるようになりました。

他のヨーロッパ諸国のものに比べると日本での知名度はまだまだ劣りますが、フィンランドには数多くのチョコレートブランドがあり、たくさんの人々に愛されています。何よりもフィンランド人はチョコレートが大好き!カバンの中にいつも常備している、という人も多いそうです。

中でも選りすぐりの4ブランドが集まるという「メッツァビレッジ」の「ショコラフィンランド」コーナー。総代理店として取扱をする株式会社ラクシアトレードの熊谷光修さんに、それぞれのチョコレートの特徴を教えていただきました。

ブランド解説を始める前に、まずはフィンランドチョコレートの特徴をお話してくださいました。

「フィンランドのチョコレートブランドは、一部を除いて小規模なところがほとんどです。大きな施設を持っているところが少なく、職人数名で手作りしているところが多いんですよね。小規模だからゆえ、割とすぐにいろんなことをトライできるので、味のバリエーションが豊富という特徴があります。
僕個人的には、フィンランドのチョコレートは比較的日本人の味覚に合っていると思うんです。海外のチョコレートの中には香料がキツイものもあるんですが、そういうことはほとんどありません。だから、どれを選んでもまず失敗することはないと思いますよ。今回取り扱うものは、全て味には自信があります」

それでは、早速紹介していただきましょう。

■ MERCEDES CHOCOLATERIE(メルセデスショコラトリー)
※12月より販売開始予定
「フィンランドとスウェーデンの間に位置するオーランド諸島という場所で作られているブランドです。個人的にも一口食べた瞬間、『これはすごいぞ!』と衝撃を受けた記憶があります。
オーランド島は、北欧において高級な農産物の生産地として知られている場所。上質なミルクやバター、そこでしか生息しないハチから採れたハチミツ、新鮮なベリーが揃っています。もともと技術の高いチョコレートに、それらの材料を組み合わせると、頭で思い描いている想像を遥かに超えたものが出来上がるんです。
これはフィンランド特有なのですが、なぜかヘルシンキではボンボンショコラがあまり売れないんです。この形状の「メルセデスショコラトリー」の商品は実はヘルシンキでは販売されておらず、わざわざ船や飛行機に乗ってオーランド島まで行かないといけないんですよ。だから、北欧でも「船に乗ってでも買いに行く価値のあるチョコレート」と呼ばれています。それが『メッツァビレッジ』で買うことができるんです。
「メルセデスショコラトリー」の噂は徐々に広がってきていて、2017年にインターナショナルチョコレートアワードを受賞しました。また日本でも「サロン・デュ・ショコラ」に出展しました。そういう意味では、今最も注目を集めているフィンランドチョコレートブランドと言えるかもしれませんね」


■kultasuklaa(クルタスクラー)
「フィンランド語で、クルタは金、スクラーはチョコレートという意味。 このブランドは“フィンランドの黄金のチョコレート”とも呼ばれています。ヘルシンキ郊外のイッタラ村という所に工房があり、10人ほどの職人さんが上質なチョコレート作りに勤しんでいます。ミルクチョコレートが得意なブランドで、フィンランドの人はこの味が大好き! 実はクリスマスシーズンに販売されるサンタクロース公認チョコレートはこのブランドのものです。パッケージにサンタクロースが描かれたものは、日本でもギフトに最適だと思いますよ。『メッツァビレッジ』でも販売を予定しています。
チョコレートケーキを食べた後のような濃厚さと、上質な口溶けは、きっと日本人にも美味しいと感じてもらえるのではないかと思います。僕も、このミルクチョコレートの力強さに魅力を感じています」


■DAMMENBERG(ダンメンベルグ)
「このブランドの一番の特徴は、アレルギーフリーチョコレートを作るのがすごく上手いということです。ヨーロッパの方は日本人よりも数倍アレルギーの方が多いとされているので、こういうチョコレートの需要が高いんですよね。『THE NORDIC WORRY FREE CHOCOLATE』と呼ばれ、みんなが安心して食べられるチョコレートとして知られています。
工房はタンペレという町にあり、地元で採れる上質で新鮮な食材を使っています。中でも、フィンランドのベリーを使ったチョコレートが人気ですね。ベリーの甘酸っぱさとチョコレートの甘さは、最高の組み合わせですからね。他にも日本人があまり得意ではないサルミアッキ(リコリス)を使ったホワイトチョコレートもあるんですが、これはびっくりするくらい美味しいですよ。サルミアッキの印象が変わるかもしれません(笑)」


■ goodio(グーディオ)
「創業者のベルトラは、もともとIT業界にいたゲームプロデューサーだったんです。自身がアレルギー体質だった彼は、 “Bean to Bar” “オーガニック” “ローチョコレート” “低GI” を目指したチョコレートづくりをしました。それは、『食べ物が病気を引き起こすものではなく、健康を促すものになるように』という思いがあってのこと。パッケージもとてもおしゃれで、まさに若い感性が作り出す全く新しいチョコレートといった感じですよね」

「味覚から、北欧文化に触れてみるのもありかな、と思います」

いくつかのチョコレートを食べ比べながら、熊谷さんは楽しそうにこう話します。

「人は知らない文化に触れた時に、2通りの感じ方があると思うんです。それは
“知らないから避けよう”、
もう1つは“知らないから面白い、試してみよう”。
僕は、ぜひ『メッツァビレッジ』に行ったら後者になってほしいですね。『フィンランドのチョコレート?何それ、試してみよう!』って食べていただくと、これがどれだけの技術で作られていて、いかにハイクオリティかを分かると思います。
北欧の文化を体験するのにもいろんな入り方があると思いますが、味覚からというのもありだと思いますよ」

そう、味覚からフィンランドの魅力にどっぷりハマっていったのは、紛れもなく熊谷さんご本人。「ロバーツコーヒー」のお話でもあったように、フィンランドの食文化に出逢ったことで人生が激変し、結果こんなにもイキイキしているのですから。本当にいいお手本です。

取材・文/河辺さや香
写真/今村成明


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