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一口めでガツン→思わずトリコに!? フィンランドのワイルドな自然を感じて

biokia smoothie in マーケットホール

#メッツァビレッジの住人 第2回は、北欧のワイルドベリーを販売するブランド「biokia」が手がける、世界初となるbiokia smoothieのスムージーショップについてです。本国フィンランドにもまだ存在しない店舗が「メッツァ」に登場するとあって、早くも期待と話題が取り巻いています。日本におけるスムージー界の第一人者であり、「biokia smoothie」の監修者でもある平野奈津さんに、北欧ベリーとスムージーにまつわるストーリーをお聞きしました。

「スムージーはとにかく美味しいのがいちばん。それでいいんです」



20年前からスムージーづくりに携わる平野奈津さんは、奈良にあるスムージー専門店「DRINK DRANK」を営むオーナー。今回オープンする「biokia smoothie」の監修を務めています。奈良のお店に行くと、そこには耳をそばだてながらミキサーの音を確認する平野さんの姿がありました。

「こんにちは!ちょっと待ってくださいね」

そう微笑むと、テキパキと手際よく鮮やかなスムージーを作っていきます。

「食材のもつ硬さや繊維の量を感覚で判断して、ミキサーの音を聞き分けます。それで、止めたり、強めたり弱めたりして混ぜていくんです」(平野さん)

そうやって一杯一杯丁寧に手作りされたスムージーは、ふんわりまろやか。

「20年前、私が海外で飲んだスムージーがこんな感じだったんです。果物の香りや彩り、素材の食感がその1杯に閉じ込められているのがとにかく衝撃でした。それから、私もこういうのを作りたいと思って海外を回り、時には英語のレシピを見ながら研究しました。20年前は、それこそ『スムージーっていうのは…』って説明から入る感じでした。今でこそメジャーになって、健康のためっていうイメージもありますけど、私がやっているのは果物の旬や色合い、風味を新しいカタチで楽しんでほしいということ。昔おばあちゃんちで食べたみかんを思い出すような、果物の素朴な良さを知ってほしいんです。単純に色や味、香りを楽しんでもらうためのスムージーづくりをしているから、健康や美容に関しては実は二の次だったりするんです。もちろん新鮮な野菜や果物を使っているから、結果としていいものなんですけどね」(平野さん)


突然舞い込んだ、biokia japanからの直々オファー

美味しいことを第一のポリシーとして掲げる平野さんの元に、ある日北欧ベリーを取り扱う会社「biokia japan」からオファーが届きます。

「biokia japanの阿部社長から、『biokia』の北欧ベリーを使ってスムージーを作ってほしいという依頼をいただいたんです。ずっと海外生活をされている方で、スムージーといえば、とろーっとシャーベットのような感じというイメージがあったらしく、私が作るスムージーがぴったりだったそうです。私が影響を受けたのが海外のスムージーだったので。
まず北欧ベリーという食材に好奇心を持ちました。お仕事というよりも、スムージーマニアの血が騒いだっていうか(笑)。『これは絶対美味しいスムージーになりそうだから使ってみたい!』という想いが、むくむくと募っていきました。
それと、フィンランドっていうキーワードにも興味を抱きましたね。北欧の中で唯一訪れたことのある場所がフィンランドなんですけど、いい思い出がたくさんあるんです。とにかく街の色がすごく印象的でした。ちょっと薄暗い中に、鮮やかな食材やラッピングや家具の色がすごくきれいだった。今回使うベリーの色もとても鮮やかで、日本の食材では出せない色だと思うんです。私自身が、もうすっかり北欧ベリーのトリコになってます(笑)」(平野さん)


「北欧ベリーのスムージーづくりは直感で!すぐに完成しました」

メッツァビレッジの店舗オープンに際して販売されるのは、ビルベリー、クランベリー、シーバックソーン、リンゴンベリー(コケモモ)という4種それぞれの北欧ベリーをメインに使ったスムージー4種のみ。日本では全くと言っていいほど馴染みのない食材を使うのは、難関ではなかったのでしょうか。

「『すっごく悩みました』って言いたいところなんですけど、すぐにできました。直感で(笑)。もう20年も好きでスムージーづくりをしているので、感覚でわかるのかもしれません。
ベリーが持つ独特の甘みと酸味、特に強めの酸味を個性として感じてほしかったので、それを壊さない程度に他の果物を少しブレンドしています。中でもシーバックソーンは特に独特な香りと酸味が強いめずらしいベリーなんですが、これもとってもおいしくできました。

『biokia』は現地で採れる野生のベリーを加工して輸入しているんです。フィンランドの厳しい環境で自生しているものだから、ワイルドな風土の感じが伝わってくるんですよね。(冒頭で)健康への効果は二の次って言っておいてなんですが、実は悔しいくらいに栄養価が高いんですよ(笑)。これは無視できない強みだと思います」(平野さん)

2018年の5月、大阪の百貨店で行われた催事でビルベリーとリンゴンベリーのスムージーを一足早く販売したところ、瞬く間に長蛇の列に。リピーターも続出するほどの大盛況だったそうです。

「あまり見ない色だし、いい意味でインパクトのある酸味に惹かれてくれたのかな。メッツァビレッジでも、触れたことのない文化、景色を体感しながら、スムージーを飲んでさらに未知の世界を実感してほしいですね。北欧生活の切れ端を感じられるようなショップになったらいいなと思っています」(平野さん)

取材・文 河辺さや香
写真 末松千夏


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