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「ムーミンバレーパークのAto Z」【K】Kauppa&Kahvila (ショップ&カフェ)

ムーミンバレーパークのちょっとディープな情報を、AからZまでのキーワードにして、アルファベット順にご紹介していく「ムーミンバレーパークのA to Z」

【K】は、奇しくも、Kが2つ並ぶキーワード。
「Kauppa&Kahvila」(カウッパ ヤ カハヴィラ)。パーク内の「ショップ&カフェ」です。
フィンランド語で、Kappa(カウッパ)は店、Kahvila(カハヴィラ)はカフェ、本当にそのまま「ショップ&カフェ」、という意味になります。

展示施設KOKEMUS内にある、ショップとカフェが併設されたこの場所は、展示を見終わった後にゆっくり立ち寄って買い物をしたり、休憩をしていただきたい場所としてデザインしました。

デザインのインスピレーションは、「フィンランドのムーミンショップ」から。

北欧らしい白を基調としたシンプルな空間に、アクセントでビビットなカラーのライトが印象的に見えませんか?

パークのショップ&カフェは、そちらを参考にしつつも、『ムーミン谷の冬』の雪景色をデザインテーマに、ムーミン谷全体が雪に覆われている風景が描かれたアートをビジュアルアイデンティテイとしました。

雪に覆われた木が、ゆかいなお菓子屋さんがおどけてこしらえたものすごく大きなデコレーションケーキにそっくりな冬の風景の中、冬の間にムーミン屋敷に滞在していたお客さんたちが、外に集まって雪合戦をして遊んでいるシーンです。

「雪に覆われた景色がデコレーションケーキにそっくり」という表現で、ムーミンバレーパークのカフェに訪れたことがある方は、ピンと来た方もいるのではないでしょうか。

そうです。カフェの定番メニューのカップケーキは、雪に覆われたものや、冬に登場する「トゥーティッキ」の帽子をモチーフにしていて、冬の世界を感じていただけるようなものをご用意しています。


洗練された空間で北欧やムーミンの世界観を感じるのんびりとした時間を演出

展示を見終わった後に、余韻に浸りながらゆったりした気分で店内を見ていただけるよう、ムーミンの輸入雑貨商品をメインでセレクトしているショップの奥には、雪合戦をするムーミン谷の冬の仲間たちがシンボルアートとして飾られています。

北欧的なホワイトを基調としたシンプルで洗練された白い空間の中に、アクセントカラーとしてライトブルーを使用。
ライトブルーは、雪に覆われたムーミン谷の「澄み切った空」と「新しさ」「自由さ」をイメージしています。

イメージパースと実際に完成した様子も、ぜひ見比べてみてください!

ショップとカフェ共通で、直線的ではなく、ムーミンの世界観に出てくるような有機的なフォルムに、あたたかな光が感じられるようなデザインを意識しています。
天井からランダムにぶら下がっている丸いころんとしたライトは、雪玉がモチーフ。
モチーフの雪玉のライトは、ショップからカフェにと空間全体にゆるやかに繋がっています。


名作プロダクトに囲まれた上質な空間でフィンランドのカフェにいるかのようなひとときを

カフェは、ムーミンやトーベについての展示の余韻に浸りながら、のんびりしたひとときを過ごしていただけるよう、フィンランドのインテリアを積極的に選びました。

こちらは、フィンランドのとあるミュージアム内の休憩スペースの様子なのですが、展示を見終わった後に、くつろぎながらおしゃべりをしている幸せな空気感が、写真からも伝わってきますよね。

こちらのミュージアムでも使われているランプは、世界的に有名なフィンランド人建築家アルヴァ・アアルトによるペンダント照明A330S、 通称「Golden Bell(ゴールデンベル)」。ミュージアムだけでなく、フィンランドではカフェ・レストランや家庭でも目にするものです。

カフェでも、そちらのゴールデンベルと、同じくアアルトによる名作椅子「STOOL 60(スツール 60)」で、光が差し込む空間の中で、ちょっとしたフィンランド気分を味わっていただけるように選定しました。

(こちらの椅子に関しては、過去のキーワードC(Chair)でも、取り上げています)

北欧やフィンランドに行かれたことがある方は、ここのカフェが「フィンランドにいるみたいで、落ち着いていて好き」というご意見もよくいただきます。

一般的に、北欧のデザインは、ごちゃごちゃしておらず、シンプルで機能的なため、よく、「足し算ではなく、引き算」という言い方をされます。ここのカハヴィラ(カフェ)の、白を基調としているそぎ落とされた無駄のないシンプルなこの空間も、窮屈さがなく余白が感じられ、心地よく感じていただけるのだと思います。

ムーミンバレーパークのAtoZ に関しては、こちら(↓)をご覧ください

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株式会社ムーミン物語
川崎 亜利沙
(text by Arisa Kawasaki, Moomin Monogatari ltd.)

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