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「ムーミンバレーパークのAto Z」【Muikku foto】(写真スタジオ)

ムーミンバレーパークのちょっとディープな情報を、AからZまでのキーワードにして、アルファベット順にご紹介していく「ムーミンバレーパークのA to Z」。

【M】「Muikku foto」(ムイック フォト)、写真スタジオです。

「ムイック」とは魚(モトコクチマス)の名前で、フィンランドでのマーケット屋台やランチタイムなどによく登場する小魚のことです。

日本語で写真を撮るとき、「はい、チーズ!」と言いますよね。

フィンランドでもその類のかけ声があり、それが「ムイック!」になります。

日本語の「はい、チーズ!」がなぜチーズなのか、と同じくらい、なぜムイック(小魚)なのか、ということは意味が無いようです。最後の口の形が、チーズ(ぅ)、ムイック(ぅ)とアヒル口のような「う(U)」の母音の形で終わる単語にすることが写真撮影に向いているということなのでしょうか。

「フォト(foto)」はスウェーデン語の「フォト」(写真)という意味です。

フィンランド語でのフォト(写真)は、kuva(クバ)、valokuva(バロクバ)などで、日本人には覚えにくいかなと思い、スウェーデン語系フィンランド人だったトーベの母語であるスウェーデン語のフォトと組みわせて、「Muikku foto」としました。

(英語「photo」のスペルミスではないんですよ!)


ムーミン谷に「写真」という概念はあるのか?

写真スタジオは、ムーミン谷にある「ムーミン屋敷」や「水浴び小屋」など原作にはっきり形が出てきているわけではないのですが、現代と比べて、わりとアナログなムーミンの世界を覗いてみると、上はトーベ、下は弟ラルスのコミックスですが、どうやら「写真」は存在していることがわかります。

カメラマンが撮影してくれたり、ムーミンパパ自らカメラを持つことも…

ですので、ここの写真スタジオのコンセプトを考えるにあたり、「ムーミンたちも記念写真を撮りに来る谷の写真館ような場所」という発想からデザインを広げました。

実際に、ムーミンたちがスタジオに遊びに来た際や、屋外でも「ムイックフォト」のカメラマンに撮影してもらった記念写真の数々は、「ムイックフォト」の受付やお店の外、ムーミン一家の住む「ムーミン屋敷」にも飾られているので、ぜひ、探してみてください。


「ムイックフォト」をのぞくと…

受付の先にはスタジオが2つあり、1つは、グラフィックを使ったポップなデザインのスタジオともう1つはムーミンの世界に登場するようなクラシカルな調度品が使われた広間風のデザインのスタジオの2種類で、それぞれ気分を変えてお楽しみいただけるようにしています。


写真撮影だけじゃない「ムイックフォト」の楽しみ方

「エンマの劇場ショー」の上演時間が限られているので、ショーの時間に合わないと「パークに来たのにムーミン(やそれ以外のキャラクター)に会えなかった!」という声を聞くことがあるのですが、「ムイックフォト」に行けば、必ずムーミン谷の仲間たちが遊びにきていますし、なんといっても、他の人の目を気にすることなく、仲間たちの誰かとじっくり交流いただけますので、キャラクターに会いたいゲストには、実はとってもおすすめの場所だと思います。

某月某日、記念写真撮影に訪れたムーミン父子です。


屋外の突き出し看板

パーク内の各施設には、必ず施設の名前がわかる原作に関連した看板を付けていて、ここムイックフォトの看板も同様です。

不機嫌そうな顔のムーミンがいるのは、小説『ムーミン谷の冬』よりムーミン一族の家族写真のアルバムから。

この写真下には、「1878年10月3日 ヘルシンキ」とあるのですが、時代のことや、ファンタジーの世界のムーミン谷のはずなのに、具体的な地名について書かれていることに関しては、はっきり追求しないでおきましょう。

「ものごとって、みんなとてもあいまいなものよ。まさにそのことが、わたしを安心させるんだけれどもね」と、まさに同じお話の中で、トゥーティッキも言ってましたもんね。


ムーミンバレーパークのAtoZ に関しては、こちら(↓)をご覧ください


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株式会社ムーミン物語
川崎 亜利沙
(text by Arisa Kawasaki, Moomin Monogatari ltd.)

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