自然派ワイナリー醸造家のオーナーたちによる豪華トークイベント「小川のワイン祭 in metsä -2024 spring-」#2
1.<スペシャルクロストーク>ワイナリー醸造家×ワインエキスパート
池上峻氏(ココ・ファーム・ワイナリー取締役)× 福島有造氏(武蔵ワイナリー代表取締役)× ひぐち君(髭男爵)
湖畔のステージではワイナリーオーナーたちによるトークイベントを開催!
ココ・ファーム・ワイナリー池上さん、武蔵ワイナリー福島さん、ひぐち君によるスペシャルクロストークでは、各ワイナリーのおすすめワインを紹介。
製造のこだわりやワインのうま味や香りの話をしていたら、だんだんと喉が渇いてきたのか、ワイングラスを片手に一杯、なんて一幕もありました。
ワイナリー各地の気候に合わせた栽培方法やぶどうの品種といった専門的な話にひぐち君のわかりやすい解説が加えられ、会場のくつろぎスペースは満席に。クロストークも大いに盛り上がり、手にしたワインも進み、気付けば予定の倍以上の時間、熱く語っていただきました!
ちなみに、武蔵ワイナリーの「小川小公子」はガトーショコラに、ココ・ファーム・ワイナリーの「プティ・マンサン」はみたらしだんごやうなぎの蒲焼にも合うようです。ちょっと意外な組み合わせのようにも感じますが、ぜひお試しください♪
2.池上峻氏(ココ・ファーム・ワイナリー取締役)× 福島有造氏(武蔵ワイナリー代表取締役)
そのあとは、実はこの日が初対面だった福島さんと池上さんによる対談。
福島さんは「ココ・ファーム・ワイナリーさんの盛大な収穫祭が羨ましかった。」と話し、池上さんは「ナチュラルワインと言える日本ワインは実は数少ない。それに分類される武蔵ワイナリーは本当にすごい。」と、お互いの印象を語りました。
初対面とは思えないテンポの良さでトークは進み、ナチュラルワインのメッカになりたい、もっとワイン界を盛り上げていきたいと話すお二人の笑顔が眩しく輝いていました。
3.中村雅量氏(奥野田ワイナリー代表取締役)& 亜貴子氏(ワイナリーマダム)× 福島有造氏(武蔵ワイナリー代表取締役)
翌日17日(日)は、奥野田ワイナリー(山梨県甲州市)代表取締役の中村雅量さん&ワイナリーマダムの亜貴子さんと福島さんによるトーク。
30年前からワインを造り続けてきた中村さんは、自然派・無農薬栽培は温度管理がキーになるというその大変さを語る一方、「気候に合わせて品質や味わいが変わってくる。どんな料理に合うかを考えていただきながら楽しんでほしい。」と、ワインの楽しみ方を語ります。
エチケット(ワインのラベル)のデザインを担当する亜貴子さんは「シャルドネの果実味溢れる白ワインは野菜に、ロゼはスパイスカレーに、じんわりと柔らかい奥行きのある赤ワインは肉料理にぴったり。」とおすすめしてくれました。
ワイン造りひとつ取っても、温暖化の影響などで同じ品種でも品質が変わるほど繊細なものであるということ、最近の世界のトレンドは、日本の和食に影響受けたワインというのも出てきており、新しいベクトルが生まれている、というお話も印象的でした。
4.福島有造氏(武蔵ワイナリー代表取締役)× 中村雅量氏(奥野田ワイナリー代表取締役)
トークイベントのラストを飾るのは、武蔵ワイナリー福島さん。
ワイナリーを構える埼玉県小川町は寒暖差が少なく、ぶどう栽培は厳しいと言われていたそう…。そのような環境の中でも福島さんは経験を積み、工夫を凝らし、教科書に書いてあることと逆の方法で(!)ぶどう栽培に成功したそうです!
「武蔵ワイナリーの技術があれば、飯能市でもぶどう栽培はできる!その技術を惜しみなく伝えていきたい。」と、研修生と一緒に活動の幅を広げていることを教えてくれました。
途中、奥野田ワイナリーの中村さんも飛び入り参加!
日本でワインを飲み始めたのは1980年代。雇用均等化で女性の社会進出があり、そこから女性のワインマーケットが始まった、という興味深い日本のワインの歴史にも触れます。
近年は日本でもワイナリーが増加。
今まで300ヶ所を超えていなかったのが、ここ10年で500ヶ所を超えた、ということ、そのうち奥野田ワイナリーの位置する山梨県のワイナリーは100ヶ所、さらに甲州市は人口3万人に対し50カ所のワイナリーがあるワイン激戦区。税務署もワイナリーとの仕事が多くワイン税務署という別名もあるほどだとか。
それを「いろんなベクトルがあるのは、良いことなんです。」と語る中村さんの懐の深さは、日本ワイン界の造り手として長年関わり続けてきた重鎮ならではのお言葉でした。
いつかこの飯能市でもぶどう栽培が行われ、ワイナリーができるかもしれない…なんて、夢がありますね。
そんな日が訪れることを心から楽しみにしています。