なぜ、私たちは今イベントをするのかー「ウインターワンダーランド」の意義【後編】
なぜ、私たちは今イベントをするのかー「ウインターワンダーランド」の意義【前編】に引き続き、後編です。
1.作者トーベの平和への思いを引き継いでー「Breath / Bless Project 」『Dandelion 』
「アドベンチャーウォーク」ツアーが終盤を迎える「ムーミン谷エリア」は、春を迎えたムーミン谷が舞台で、ゲストが訪れたムーミン谷エリアに、春を感じる演出を用意しているうちの1つです。
そこには、プロジェクションマッピング等で有名なクリエイティブカンパニーNAKEDさんのコンテンツ「Breath / Bless Project 」『Dandelion 』を設置しました。
『Dandelion』は、タンポポに息を吹きかけると綿毛が舞うインスタレーション作品。
「Breath / Bless Project」は、世界各地に設置されたこの『Dandelion』が起点となり、平和への祈りがネットワークで繋がっていく、世界規模のプロジェクト型アートです。この『Dandelion』は、第12回渋谷芸術祭2020や東京タワー、シンガポールのガーデンズ・バイ・ザ・ベイなどでも展示されていますが、わたしたちのパークのものはスペシャルバージョンとして、ムーミン谷のキャラクターたちが登場します。
ムーミンの物語の作者トーベ・ヤンソンも、かつて、戦時下でムーミンの物語を生み出し、アートを通して表現や発信を続けてきました。
私たちムーミンバレーパークも、平和な世界になることを願っていたトーベの思いを引き継ぎ、平和や平穏への祈りといった優しい感情を通して世界と繋がり合うことができるというコンセプトに共感し、フィンランド本国のライセンサーからの快諾を経て、プロジェクトに参画する運びとなりました。
ムーミンの物語を通して一貫したテーマである愛や寛容性などを象徴するムーミン谷のキャラクターたちが見守る中で、争いがなくなり、平和な世界になることへの祈りをこめて、世界中で可憐な花が咲くように、ゲストの方々にもタンポポの綿毛を世界中の空へ飛ばしていただけるものになればと思いました。
こちらのアートも、新型コロナウイルス感染症対策として、実際に吹くという行為を用いずに、スマートフォンを使用した体験設計を導入しています。ご体験の際も、スマートフォンでQRコードをスキャンして画像を取得していただくため、ゲストご自身のスマートフォンで参加いただく形になります。
2.思い出の記念のオリジナルグッズやメニュー
冬のパークでの特別な体験をした記念をお持ち帰りいただけるように、
限定のオリジナルグッズを用意しました。
夜のアトラクションだけでなく、「ウインターワンダーランド」イベントとして、パークは昼間も営業しています。
昼の時間帯は、冬と北欧、ムーミンの世界感をモチーフにした飲食店舗でのオリジナルメニューも登場。雪の世界を感じるメニューです。
3.冬季限定の回遊型のラリーやワークショップメニュー
パークで定番の回遊型ラリーとして、今年の冬のラリーは、接触の可能性があるペンでの記入などをさけるため、スクラッチで答えを削るタイプのラリーをつくりました。これは特殊な印刷技術を使用しており、削りゴミが出ないタイプの環境にも配慮したラリーにしました。
こちらのスクラッチラリーや、ワークショップ共に、ゲストそれぞれのペースで時間を過ごしていただき、密を回避いただくタイプのコンテンツです。
4.フォトジェニックな季節装飾
昼間のフォトスポットとしては、冬の物語のキャラクターたちが登場する装飾をつくりました。丸いバル―ン装飾は、ムーミン谷の雪の世界をイメージしています。
ここの装飾は、昼間は「ウインターワンダーランド」をもじった「ウインターワンダーロード」という名前ですが、夜は「アドベンチャーウォーク」の最後のエピローグ舞台となる場所になり、春の訪れを感じる「春の光が灯る道」という場所に名前が変わります。
配色をがらりと変えたので、同じ道でも、昼間と夜の変化を楽しんでいただけると思います。
5.ムーミンの物語と現代の親和性
今回の、「ウインターワンダーランド」イベントを通して、
ゲストの方々に、ムーミントロールのように厳しい状況を受け入れながらも、自分らしさを失わずに困難を乗り越えていくことを感じていただけるイベントであること、ゲストの安全を優先した今の時世に合わせたイベントとなるよう意識をして作ってきました。
こちらを読んでいたただいたみなさんが、思いに共感いただいたり、ご一緒にパークを盛り上げていただき、春を迎えられることができたら、私たちもうれしいです。
最後になりましたが、2021年、みなさんにとって良い年になりますよう、ムーミンバレーパーク一同も願っています!
<and more...>
※アドベンチャーウォークへの思いについては、ソニーミュージックさんのCocotameでも2回に分けてご紹介いただいています。
冬の夜に『ムーミンバレーパーク』で語られる特別な物語――そこに込められた思い
【前編】
【後編】
文:川崎 亜利沙