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なぜ、私たちは今イベントをするのかー「ウインターワンダーランド」の意義【前編】

1.冬季限定イベント「ウインターワンダーランド」と開催への思い

ムーミンバレーパークの冬季限定イベント「ウインターワンダーランド」は、原作の小説『ムーミン谷の冬』の世界を舞台に、冬眠からひとりだけ目覚めてしまった主人公のムーミントロールが、いろいろな生きものと出会い、孤独を乗り越え成長していく物語を昼と夜でそれぞれ追体験できるイベントです。

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こちらの「ウインターワンダーランド」は、昨年も開催していましたが、昨年は、新型コロナウイルスの影響で臨時休園などもあり、予定より1週間ほど前倒しで終了となってしまったイベントでもあります。

現在も世の中の状況を随時確認しながら運営をしていますが、今年も実施することにしたのは、訪れていただいたゲストのみなさんに、ムーミントロールが体験する孤独や困難を、愛や勇気をもって乗り越えて、成長し、あたたかい春を迎える…という冒険を通じて、こんな時代であるからこそ、ムーミントロールの物語の追体験をして、今の厳しい、まるで冬のような状況…を乗り越えた先には、必ず春がやってくる、という希望をもっていただきたいとの思いでした。

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2.今冬のメインアトラクション「アドベンチャーウォーク」の独自性

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「アドベンチャーウォーク」という音と光の演出で冬の森の中を回遊する体験型のアトラクション。
今回は、パーク敷地外である宮沢湖の外周を舞台とし、自然の中をご自身のペースで長時間歩いていただくことで密な状況を回避できる環境を用意したことも、特徴です。

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「アドベンチャーウォーク」の何がユニークネスポイントであるかということですが、ソニーさんの「Sound AR™」という技術を自然環境下で楽しめる、という最新技術実際にそこにある環境をかけあわせたデジタルとアナログの融合のアトラクションであるということで、実際に体験いただいたゲストの方には、令和スタイルのアトラクション!という声もいただきました。

「Sound AR」とは
聴覚によるAR(Augmented Reality・拡張現実)体験を実現するソニーが開発した技術。ユーザーはスマートフォンとイヤホンを使用して、現実世界と仮想世界の音が混ざり合った拡張現実の世界を体験できる。また、「Sound AR」にはスマートフォンのGPS機能を活用した位置連動や加速度センサーを活用した身体連動機能も備えられていて、音による物語体験を提供できる技術としても注目を集めている。立体的な音場空間を実現するソニーの立体音響技術も採用され、全方位からの音響体験を実現する。


今をときめく豪華ボイスキャスト陣たち

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こちらの、サウンドウォークに出演いただいているボイスキャストの方々ですが、声優に詳しい方がこちらの面々を見ると、とても驚かれます。

どのくらいの知名度の方々なのかというと、今話題のアニメ「鬼滅の刃」に出演されている方がこの中に二人います。さらに開業時から、昼間に営業しているパーク内アトラクション「リトルミイのプレイスポット」内の男性ナレーション役が映画版「鬼滅の刃」でメインで登場しているキャラクターの方だったり、今年のエンマの劇場ショーでのヒロイン役を務めている方も、実は「鬼滅の刃」に登場しています。

実はこれは、話題のアニメの方々を選んで採用しているということではなく、パークのコンテンツの方が「鬼滅の刃」のアニメより前からありますので、パークの方が先にトレンドの方々を採用していたことになります。手前味噌ながらも、先見の明があったのではないでしょうか。

【パーク内に登場いただいている「鬼滅の刃」にも出演されているボイスキャストの方々】(敬称略)
<アドベンチャーウォーク>
・櫻井孝宏 さくらいたかひろ(スナフキン・ナレーション)
 ⇒鬼滅の刃 冨岡義勇(とみおか ぎゆう)役
・花澤香菜 はなざわ かな(スノークのおじょうさん)
⇒鬼滅の刃 甘露寺蜜璃(かんろじ みつり)役
<リトルミイのプレイスポット>
・日野聡 ひのさとし (男性ナレーション役)
⇒鬼滅の刃 煉獄杏寿郎(れんごく きょうじゅろう)役
<エンマの劇場ショー 「勇気を知った少女」>
・井澤詩織 いざわ しおり (ニンニ) 
⇒鬼滅の刃 案内役・白髪役


3.「アドベンチャーウォーク」のコンテンツの今年の必然性


満足度96%だった、昨年の「サウンドウォーク」

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昨年もソニーさんと実施させていただいた「Sound AR™」技術を利用したアトラクション「サウンドウォーク~ムーミン谷の冬~」は、体験いただいた方にアンケートを実施しており、満足度が96%という驚異的な数字でした。また、ありがたいことに、次回の同様なアトラクションを実施した場合の参加意欲も89%という高い数字でした。

コンテンツ自体に、作り手側の手ごたえはあったものの、実際にこのようにはっきりとゲストの方々に好評をいただいているコンテンツであったため、今冬は、規模を拡大して、さらに多くの方々に楽しんでいただきたいと考えました。


新しい生活様式との共存を模索ー案内役は体験者自身のスマートフォン

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昨年のサウンドウォークはレンタルのスマートフォン・イヤホンを支給して体験いただきましたが、今年は、不特定多数との接触を避けるため、ゲストご自身のスマートフォンでアプリをダウンロードいただき、楽しんでもらえるようなシステムをソニーさんと開発しました。
昨今は、飲食店のメニューも、紙媒体ではなく、ご自身のスマートフォンでQRコードを読み取るという店舗も増えています。パークも、そういった世の中の変化に柔軟に対応できればと考えました。
また、大人数のツアー形式ではなく、ご自身のスマートフォンでポイントを回っていただくことで、こちらがコントロールするのではなく、ご自身のペースでまわっていただき、安全にアトラクションを楽しんでいただけるようなツアー設計を心がけました。

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後編へつづく



文:川崎 亜利沙


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